2006年 12月 06日
9月8日のNPOバイオマス産業社会ネットワークでの発表 1 |
9月8日の東京の日仏会館での『日本のバイオマス利用促進シンポジウム2006』(主催:NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク)で発表したのが原稿になってきた。
秋田杉の樹皮からつくった木質断熱材 <西方里見氏講演 東京会場>
自然素材の断熱材は何がよいのか?
西方です。設計事務所をしております。建築の設計、住宅、学校などの木造建築を主体に設計しています。
秋田県能代市という北国で寒冷地ですから断熱材が問題となってきます。ヨーロッパのドイツやスイスの付近に行くとカタログにあるように色んなバイオマス系の断熱材がありまして、輸入されているところも数社あります。
これは一面フラックス(亜麻)の畑です。それからハンフの断熱材を見てわかるように、これはドイツのフライブルグのエコメッセなのですが左の方のハンフの厚さが20センチから25センチくらいあります。日本の次世代省エネルギー基準はおおよそ壁が10センチで屋根が15センチです。
年間住宅着工数の90万戸の内で木造に関して30万戸くらいが戸建、その一割の3万戸の家の断熱材を、壁が10センチ、屋根が15センチで計算すると、北海道を全部畑としてその面積の45パーセントつまり約半分でフラックスを生産しなければなりません。有り得ないのではないかということです。
要するに自然系の断熱材の何がいいかということです。日本の場合豊富にあるので木材、木がいいかなということです。
ドイツ語文化圏では、ハンフ、木材からの繊維の断熱材はかなり使い方が進んでいて、15種類ほどあり屋根は屋根、壁は壁、床は床というように厚さや密度によって使い分けしています。
このようにドイツやスイスあたりが自然系の断熱材エコロジーという点で進んでいます。
それでは私が実際どのようにしているかというと、これは町営住宅です。
これは秋田杉の樹皮から作られた断熱材です。それを外側に貼っているところです。このように実践開発しながらノウハウを蓄積しています。これはそのボードなのですが1枚25ミリですが大体50ミリ単位で作ってとうもろこしの澱粉であるコーンスターチで張り合わせます。
これが冬場の雪の風景で、木造の集合住宅です。北側から見たところです。今度は内側にボード状のものを入れています。これも秋田杉の樹皮の断熱材で、茶色なのは杉の皮が黒いからです。それが作られているところです。これは木造の県営住宅です。
これは戸建の住宅で、秋田スギ樹皮断熱材が多少脆いところがあるのでパネルに入れてセッティングし柱や梁に使うことで断熱と気密、秋田は風が強いところですからこうすることで気密性をもった構造となります。それにパッキンをつけるなど工法的にも工夫しています。こういう模式図です。これがそのモデルです。
続く
秋田杉の樹皮からつくった木質断熱材 <西方里見氏講演 東京会場>
自然素材の断熱材は何がよいのか?
西方です。設計事務所をしております。建築の設計、住宅、学校などの木造建築を主体に設計しています。
秋田県能代市という北国で寒冷地ですから断熱材が問題となってきます。ヨーロッパのドイツやスイスの付近に行くとカタログにあるように色んなバイオマス系の断熱材がありまして、輸入されているところも数社あります。
これは一面フラックス(亜麻)の畑です。それからハンフの断熱材を見てわかるように、これはドイツのフライブルグのエコメッセなのですが左の方のハンフの厚さが20センチから25センチくらいあります。日本の次世代省エネルギー基準はおおよそ壁が10センチで屋根が15センチです。
年間住宅着工数の90万戸の内で木造に関して30万戸くらいが戸建、その一割の3万戸の家の断熱材を、壁が10センチ、屋根が15センチで計算すると、北海道を全部畑としてその面積の45パーセントつまり約半分でフラックスを生産しなければなりません。有り得ないのではないかということです。
要するに自然系の断熱材の何がいいかということです。日本の場合豊富にあるので木材、木がいいかなということです。
ドイツ語文化圏では、ハンフ、木材からの繊維の断熱材はかなり使い方が進んでいて、15種類ほどあり屋根は屋根、壁は壁、床は床というように厚さや密度によって使い分けしています。
このようにドイツやスイスあたりが自然系の断熱材エコロジーという点で進んでいます。
それでは私が実際どのようにしているかというと、これは町営住宅です。
これは秋田杉の樹皮から作られた断熱材です。それを外側に貼っているところです。このように実践開発しながらノウハウを蓄積しています。これはそのボードなのですが1枚25ミリですが大体50ミリ単位で作ってとうもろこしの澱粉であるコーンスターチで張り合わせます。
これが冬場の雪の風景で、木造の集合住宅です。北側から見たところです。今度は内側にボード状のものを入れています。これも秋田杉の樹皮の断熱材で、茶色なのは杉の皮が黒いからです。それが作られているところです。これは木造の県営住宅です。
これは戸建の住宅で、秋田スギ樹皮断熱材が多少脆いところがあるのでパネルに入れてセッティングし柱や梁に使うことで断熱と気密、秋田は風が強いところですからこうすることで気密性をもった構造となります。それにパッキンをつけるなど工法的にも工夫しています。こういう模式図です。これがそのモデルです。
続く
by nisi93jp
| 2006-12-06 18:55
| 研修・鑑賞・スタディ