2018年 10月 29日
秋田から自然環境の「厳しさ」だけを 取り除く2/3 |
下記は「JUU 05」に掲載された文章です。
とても気に入っております。
2/3編
日射しを暖房にして省エネに暮らす
「日射しを暖房にする。しかも冬場の日射しの少ない秋田で」。
こういうと驚く方もおられるかもしれません。
しかし、前述の西方設計の標準仕様でなら、
冬の日照が少ない秋田の真冬でも1日1時間の日照で日中の暖房は不要、
日照が3時間もあれば夜の暖房も不要となります。
それを可能にしているのは、住宅の高断熱・高気密化だけでなく、
日射取得率が高く、熱を逃がしにくいガラスを使った大きな窓です。
逃げる熱より入る熱を2倍以上にすることで、暖房費を省エネ化するという考えです。
これなら真冬の立月12月〜2月でも月に1万円前後の暖房費で済みます。
3月と11月は日照が十分にあるので夜だけの暖房になり、
月に5 千円前後の暖房費で済む計算です。
同じく暖房期間の4月、10月は無暖房でも室内は快適な温度を保てます。
冬の秋田でも、太陽熱は十分に暖房になるのです。
夏の諒しさのために日射しをコントロール
夏の諒しさのために日射しをコントロール
温暖化により、
東京の夜は最低気温が25℃以上の熱帯夜が30日ほどもあって、
室温はそれ以上に暑くクーラーがないと眠れません。
秋田ではそんな日は数日しかありませんので、
ほとんどは夜間に窓を開けて涼風を室内に呼び込みます。
西方設計の住宅では、
朝に窓とブラインドを閉め、日射しを室内に入れないで過ごすと夕方まで涼しさが保てます。
夜、涼しくなったら窓を聞けます。
これは専門用語ではナイトパージという手法ですが、
温暖化により現在では北東北から北海道までしか有効ではなくなってきました。
秋田の気候条件をメリットにできるポイントですので、有効に使いたいものです。
夏は冬とは反対に外からはできる限り熱を入れないことが肝要になります。
暖房エネルギーを少なくするのに大きな窓をと書きましたが、
夏になるとその窓からの日射を外付ブラインドや外付シェードで遮ることが必要です。
また基礎断熱なので床下の地面の冷たさを利用します。
真夏で床下の温度が23℃ほど、床の表面温度で25℃ほどとひんやりしています。
梅雨期などは換気とともにエアコンで除湿を行うと快適になります。
梅雨期などは換気とともにエアコンで除湿を行うと快適になります。
エアコンの電気代にして月に2千円ほどでしょう。
by nisi93jp
| 2018-10-29 09:55
| 雑誌・本掲載
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