2015年 04月 05日
芝置屋根の小勝田埋没家屋 |
今日の4月5日の「秋田さきがけ」に江戸時代に発見された芝置屋根の小勝田埋没家屋が掲載された。
小勝田埋没家屋は秋田埋蔵文化財センターが最近に再調査を行っている。
注目されるのは「粘土で補強した屋根も残っていた」で芝置屋根であろう。
更に、乾尚彦の言う「一般的に、穴を掘って、それによって作られた垂直面を壁面またはその一部とする竪穴住居は、
寒冷地に適応するための住まいである。
土は熱容量が高く、気密性の高い家ができるので、厳しい冬を乗り切るのに適している。」である。
参考
地下式住居の成立・・・乾 尚彦
穴を掘って住む
一八一七年七月、米代川は連日の降雨のため洪水となる。このとき、小勝田(おがた)(現在の秋田県北秋田郡鷹巣町小ヶ田)では、川ばたの畑地がくずれおち、そこから古い家がそっくりそのまま出現するという事件が起きた。家の形、出土した民具とも珍しく、当時の人々の関心を集め、いくつかの記録が残されている。(図(1))
この家は、平安時代中後期の大洪水で埋もれたものとされている。古代の家の全貌がわかる稀有な例であるばかりでなく、そこに示された住宅のかたちは、現在見られる中世から近世にかけての住宅遺構、絵画等に描かれた古代の住まいとも大きく異なるものであった。まず、なによりも注目すべきは、四尺におよぶ深い竪穴である。洪水ですっぽり土砂に埋もれたというのも、この低く構える家のつくり方に由来している。竪穴住居は縄文・弥生時代には普遍的であり、それが辺境の秋田に平安時代まで残っていたことはそれほど驚愕すべきことではないかもしれない。しかし、周壁で囲われた掘りくぼめた庭を設け、それに面して家を建てるなど、通常の竪穴とは異なるもので、竪穴住居の一つの発展型とみなすべきであろう。
一般的に、穴を掘って、それによって作られた垂直面を壁面またはその一部とする竪穴住居は、寒冷地に適応するための住まいである。土は熱容量が高く、気密性の高い家ができるので、厳しい冬を乗り切るのに適している。日本では、湿度の高い暑い夏があるため、建築技術が高くなるとこうした竪穴住居は姿を消していくことになるが、水はけがよく寒冷地であれば、かなり南方でもこうした住居は根強く使われてきた。典型的なのは、深い竪穴を掘る台湾山地のアタヤル族の住まいであろう。(図(2))
by nisi93jp
| 2015-04-05 17:50
| 四季・地域色・食べ物
|
Trackback
|
Comments(0)