2007年 09月 02日
ドナルド・キーンの渡辺崋山 |
ドナルド・キーン著の「渡辺崋山 」を半分ほど読んでいる。
アマゾンでBC級戦犯の本を探している時、今年の3月出版の「渡辺崋山 」を見つけた。
江戸末期の画人・蘭学者・政治家(小藩の田原藩の家老)で、私が最も敬愛し影響されている一人。
なんで、ドナルド・キーンが渡辺崋山を書くのか?と思ったが、日本の画家で最も興味があるという。
タイミング良く、今日、日曜日の朝10時からのNHK教育の新日本美術館で「日本文学研究家のドナルド・キーン氏が江戸時代の画家、渡辺崋山を語る。」を見た。
「キーン氏は崋山が描く肖像画に初めて出合った時、画面から発せられる力に圧倒され、独特の世界観に目を見張ったという。
崋山の絵は、それまでの日本美術に先例のないリアリズムに満ちあふれていたからだ。天皇ら地位の高い人を描いた従来の肖像画とは一線を画し、崋山は身近な人々のありのままの姿を描き続けた。
人物の個性を画面に封じ込めた崋山の画業の根底にあったのは西洋から学んだ近代思想だった。
オランダから輸入されたわずかな書物の挿絵から、西洋絵画の技法とその思想を学んだ崋山。
その姿は、戦後のアメリカやイギリスで限られた文献を基に日本文学の研究を切り開いたキーン氏の姿に重なる。キーン氏が自らの半生を振り返りながら、崋山へのシンパシーを語る。(番組案内より。)
早速、これを機会に手元に無い、渡辺崋山関連の下記の本を注文した。
1.幕末から明治へのめまぐるしい美術—渡辺崋山を中心に(金原 宏行)
2.才の改革者 渡辺崋山 自らの信念をいかに貫くか (童門 冬二)
3.渡辺崋山(加藤 文三)
4.士魂の人 渡辺崋山探訪 (芳賀 登)
5. 非業の人 渡辺崋山—青少年劇場用(平林 卓郎)
6.渡辺崋山—郷国と世界へのまなざし (愛知大学綜合郷土研究所ブックレット)
童門 冬二の本の解説は
「幕末に活躍した人物の中でも、ひときわ異彩を放つ渡辺崋山。
「遠近法」を取り入れて、日本美術史に新境地を開拓した画家として有名な彼だが、実はれっきとした大名家の家老である。
1万2千石の小藩ながら、東海の田原藩の経営再建に尽力し、農政家を招いて領民の生活安定に心を砕き続けた。その手腕は、天保の大飢饉でも領民に餓死者を出さず、幕府から唯一表彰を受けたことからも分かる。
崋山の才能は、それだけに止まらない。江戸藩邸では、高野長英や小関三英など、蘭学者との交流を通じて西洋の新知識まで蓄えた。まさに多才にして「異才の改革者」だったのである。
更にその視野は日本を越えて世界にまで向けられたが、幕府の海防政策を批判した容疑で「蛮社の獄」に連座し、49歳で自刃に追い込まれてしまう。
幕末初期の改革者だった崋山は、いかに守旧派と闘い、自らの信念を貫き通したのか? 時代の先駆者の生涯に学ぶ一冊。」
ドナルド・キーンは「渡辺崋山は、美術の教科書や歴史の教科書(蛮社の獄)に出ているので、日本人のほとんどが知っている。」とある。
しかし、知られ方の幅が大きい。
私は、政治や美術や科学分野で、鎖国から開国・明治維新への基礎をつくった人、革新な人、明治になってから罪人を解かれた人、旧と新の狭間にいて苦悩が大きい人、と思う。
「渡辺崋山の逆贋作考」著作の 月山 照基はまったく逆で、戦前の修身の国定教科書に忠君愛国の志士と語られ、戦争協力者として扱っている。
私はそうは思わないが。何しろ生きた時代が江戸時代なのだ。何しろ相手は、悪評高い妖怪・鳥居耀蔵や水野忠邦だ。
アマゾンでBC級戦犯の本を探している時、今年の3月出版の「渡辺崋山 」を見つけた。
江戸末期の画人・蘭学者・政治家(小藩の田原藩の家老)で、私が最も敬愛し影響されている一人。
なんで、ドナルド・キーンが渡辺崋山を書くのか?と思ったが、日本の画家で最も興味があるという。
タイミング良く、今日、日曜日の朝10時からのNHK教育の新日本美術館で「日本文学研究家のドナルド・キーン氏が江戸時代の画家、渡辺崋山を語る。」を見た。
「キーン氏は崋山が描く肖像画に初めて出合った時、画面から発せられる力に圧倒され、独特の世界観に目を見張ったという。
崋山の絵は、それまでの日本美術に先例のないリアリズムに満ちあふれていたからだ。天皇ら地位の高い人を描いた従来の肖像画とは一線を画し、崋山は身近な人々のありのままの姿を描き続けた。
人物の個性を画面に封じ込めた崋山の画業の根底にあったのは西洋から学んだ近代思想だった。
オランダから輸入されたわずかな書物の挿絵から、西洋絵画の技法とその思想を学んだ崋山。
その姿は、戦後のアメリカやイギリスで限られた文献を基に日本文学の研究を切り開いたキーン氏の姿に重なる。キーン氏が自らの半生を振り返りながら、崋山へのシンパシーを語る。(番組案内より。)
早速、これを機会に手元に無い、渡辺崋山関連の下記の本を注文した。
1.幕末から明治へのめまぐるしい美術—渡辺崋山を中心に(金原 宏行)
2.才の改革者 渡辺崋山 自らの信念をいかに貫くか (童門 冬二)
3.渡辺崋山(加藤 文三)
4.士魂の人 渡辺崋山探訪 (芳賀 登)
5. 非業の人 渡辺崋山—青少年劇場用(平林 卓郎)
6.渡辺崋山—郷国と世界へのまなざし (愛知大学綜合郷土研究所ブックレット)
童門 冬二の本の解説は
「幕末に活躍した人物の中でも、ひときわ異彩を放つ渡辺崋山。
「遠近法」を取り入れて、日本美術史に新境地を開拓した画家として有名な彼だが、実はれっきとした大名家の家老である。
1万2千石の小藩ながら、東海の田原藩の経営再建に尽力し、農政家を招いて領民の生活安定に心を砕き続けた。その手腕は、天保の大飢饉でも領民に餓死者を出さず、幕府から唯一表彰を受けたことからも分かる。
崋山の才能は、それだけに止まらない。江戸藩邸では、高野長英や小関三英など、蘭学者との交流を通じて西洋の新知識まで蓄えた。まさに多才にして「異才の改革者」だったのである。
更にその視野は日本を越えて世界にまで向けられたが、幕府の海防政策を批判した容疑で「蛮社の獄」に連座し、49歳で自刃に追い込まれてしまう。
幕末初期の改革者だった崋山は、いかに守旧派と闘い、自らの信念を貫き通したのか? 時代の先駆者の生涯に学ぶ一冊。」
ドナルド・キーンは「渡辺崋山は、美術の教科書や歴史の教科書(蛮社の獄)に出ているので、日本人のほとんどが知っている。」とある。
しかし、知られ方の幅が大きい。
私は、政治や美術や科学分野で、鎖国から開国・明治維新への基礎をつくった人、革新な人、明治になってから罪人を解かれた人、旧と新の狭間にいて苦悩が大きい人、と思う。
「渡辺崋山の逆贋作考」著作の 月山 照基はまったく逆で、戦前の修身の国定教科書に忠君愛国の志士と語られ、戦争協力者として扱っている。
私はそうは思わないが。何しろ生きた時代が江戸時代なのだ。何しろ相手は、悪評高い妖怪・鳥居耀蔵や水野忠邦だ。
by nisi93jp
| 2007-09-02 15:25
| 研修・鑑賞・スタディ
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