2010年 05月 17日
10オーストリア・スイスのパッシブハウス・木造多層階研修33 |
■ファイスト教授の講義(インスブルック大学にて) 4
○質問、その他
質問が幾つか出たが私の質問は、パッシブハウスは日射取得熱をいかに多くし蓄熱するかがポイントなので日射量に関してであった。日射が多い所と少ない所では考え方やデザインが違うことから、日射が少ないドイツ(ダルムシュタット)とドイツよりは日射が多いインスブルックの日射量を聞いた。ファイスト教授は即座にダルムシュタットが15W/m2、インスブルック25W/m2、東京60W/m2と答えてくれた。ダルムシュタットは東京の25%、インスブルックは42%である。
ちなみに私が住んでいる日本海側の能代の冬期の4ヶ月は東京の33%でダルムシュタットとインスブルックの中間である。日本で超省エネルギーのQ1住宅やパッシブハウス級の設計をしていて日射量が極端に少ない日本海側と日射量が豊富な太平洋側の違いに戸惑っていた。太平洋側では日射を大切にし、大窓から自然エネルギーの日射取得熱を多量に獲得し蓄熱し夜間に放出できるタイムラグをつくることで暖房負荷は極めて小さくできる。4寸厚の断熱壁やグレードが下がった開口部や高効率な熱交換換気システムを使わず熱損失が多くなっても15kWh/m2年以下になるような工夫が日本(太平洋側)型パッシブハウスだろう。
また、日本海側の地域では窓を大きくすると逆に暖房負荷が増えるとは簡単に判断はできない。窓の断熱性能による。PVCアルゴンLow-Eペアガラスのレベルでは暖房負荷が大きくなるが、パッシブハウス仕様のU値=0.73W/m2Kの木製サッシの高性能レベルでは窓が大きい方が暖房負荷が若干少ない。
ダルムシュタットほどの少ない日射量の地域では、U値=0.73W/m2Kの木製サッシでも窓が大きくても小さくても暖房負荷は変わらない。暖房負荷を少なくしようと日射取得熱を大きくするのにコストをかけ大きな窓を使うことは無意味になる。
他に嬉しく思った事は、パッシブハウス関連の資料の消費エネルギーの単位はWだけだと思っていたが、ファイスト教授は灯油消費量のℓも使っていた。10倍にするか10で割るかで素早く対応できるが、灯油を使った暖房が多い北国では灯油消費量がプロ以外でも目に見える量なので実感として分かりやすい。
ファイスト教授は懇親会で日本の家庭用エアコンを盛んに気にしていた。パッシブハウスは暖房機が見えないのが特色なのだが、効率とコストパフォーマンスに特別に優れたエアコンを使わない手はないと思っている。筆者は換気と暖冷房を別系統に考え、床下エアコン暖房にしている。
○質問、その他
質問が幾つか出たが私の質問は、パッシブハウスは日射取得熱をいかに多くし蓄熱するかがポイントなので日射量に関してであった。日射が多い所と少ない所では考え方やデザインが違うことから、日射が少ないドイツ(ダルムシュタット)とドイツよりは日射が多いインスブルックの日射量を聞いた。ファイスト教授は即座にダルムシュタットが15W/m2、インスブルック25W/m2、東京60W/m2と答えてくれた。ダルムシュタットは東京の25%、インスブルックは42%である。
ちなみに私が住んでいる日本海側の能代の冬期の4ヶ月は東京の33%でダルムシュタットとインスブルックの中間である。日本で超省エネルギーのQ1住宅やパッシブハウス級の設計をしていて日射量が極端に少ない日本海側と日射量が豊富な太平洋側の違いに戸惑っていた。太平洋側では日射を大切にし、大窓から自然エネルギーの日射取得熱を多量に獲得し蓄熱し夜間に放出できるタイムラグをつくることで暖房負荷は極めて小さくできる。4寸厚の断熱壁やグレードが下がった開口部や高効率な熱交換換気システムを使わず熱損失が多くなっても15kWh/m2年以下になるような工夫が日本(太平洋側)型パッシブハウスだろう。
また、日本海側の地域では窓を大きくすると逆に暖房負荷が増えるとは簡単に判断はできない。窓の断熱性能による。PVCアルゴンLow-Eペアガラスのレベルでは暖房負荷が大きくなるが、パッシブハウス仕様のU値=0.73W/m2Kの木製サッシの高性能レベルでは窓が大きい方が暖房負荷が若干少ない。
ダルムシュタットほどの少ない日射量の地域では、U値=0.73W/m2Kの木製サッシでも窓が大きくても小さくても暖房負荷は変わらない。暖房負荷を少なくしようと日射取得熱を大きくするのにコストをかけ大きな窓を使うことは無意味になる。
他に嬉しく思った事は、パッシブハウス関連の資料の消費エネルギーの単位はWだけだと思っていたが、ファイスト教授は灯油消費量のℓも使っていた。10倍にするか10で割るかで素早く対応できるが、灯油を使った暖房が多い北国では灯油消費量がプロ以外でも目に見える量なので実感として分かりやすい。
ファイスト教授は懇親会で日本の家庭用エアコンを盛んに気にしていた。パッシブハウスは暖房機が見えないのが特色なのだが、効率とコストパフォーマンスに特別に優れたエアコンを使わない手はないと思っている。筆者は換気と暖冷房を別系統に考え、床下エアコン暖房にしている。
by nisi93jp
| 2010-05-17 11:06
| ’10欧州パッシブH木造多層階
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